"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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原爆と原発、国家の暴力

高柳允子

 この夏、第2次世界大戦に関して、「知る人ぞ知る」なんでしょうけれど、戦争に直接関わった方々の発言がNHK・TVで、放映されました。
 原爆投下は防げたはずという証言もありました。軍部だか政府だか知りませんが、国民の幸せを考えていたとはとても思えない言動にほんとにため息が出てしまいます。

 原爆はアメリカが落としましたが、今年大きな事故を起こした福島の原発は東電=日本政府のやったことです。
 原爆絵画展で見ることのできる広島市民の痛々しい様は、その苦しみが今も続いていることを訴えています。アメリカが落としたに違いありませんが、防ぐことのできる立場にあったのが日本の軍部・政府であることを肝に銘じておきたいと思います。原発事故も、今後何十年たっても収束することのない大きな重荷を国民に背負わせました。

今年の原爆絵画展で福島の状況も同時に展示したことは、国民の幸せを考えない「国家の暴力」を提示したという意味で、まさに同根の苦しみを多くの人々に考えさせてくれたと思います。(願わくば、そのようなコンセプトがもっとハッキリ打ち出されても良いのではと思います。)

 原爆絵画展をなぜ来る夏も来る夏も開くのか、今年はより一層深くハッキリ自覚せざるを得ませんでした。
 アメリカは懲りもせず、海外へ出て行って、枯れ葉剤やら劣化ウラン弾やらをまき散らして、アメリカ国民をも苦しみの中に巻き込んでいます。

 人の命の尊さをすべての人が心から望まない限り、平和はやってこないと思います。私たち1人ひとりが平凡な日々の幸せの中で暮らせるように采配してくれる国家こそが愛する国家なのだと考え、そうしたことを尺度にして国の施策を見つめていかなくてはと思います。私たち自身が、国家=財界・政治家の利益に仕える者を見抜いて排除していく努力をしたいものです。

 今年は市制20周年ということで、鶴ヶ島市役所のホールに紙芝居の名調子が響き渡り、「原爆ゆるすまじ」が流れたことは愉快でした。