"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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原爆絵画展実行委員として

原爆絵画展坂戸・鶴ヶ島地区実行委員 平岡紗来

 私は昨年、高校3年生の時にこちらの原爆絵画展を知りました。『原爆から考える平和の在り方』をテーマにして高校の卒業研に取り組んでいた私の元に、小学生の弟が絵画展のチラシを持ってきてくれたことが始まりです。昨年はボランティアという形で参加させていただきましたが、戦争の悲惨さ、平和の尊さ後世に残そうという実行委員の方々の素晴らしい取り組みに心を打たれ、今年からは私も実行委員会の仲間に加えていただくことになりました。

 今年もたくさんの方々に来ていただいて、とても良い催しとなった、というのが現場での感想です。小さなお子さんは親御さんの話を聞きながら絵画に見入り、学生さんも真剣な表情で、過去実際にあった事実を学んでいました。展示物をはじめ、(2日目に催された)松岡さんの紙芝居や、武井さんのアウシュヴィッツ訪問報告は、実情を知るための良い機会となり、見に来てくださった方々の心に深く刻まれたことと思います。

 さて、今年も憲法9条改正案や、「原爆投下は仕方がなかった」などという、とんでもない話題に溢れていました。また、世界からは未だに戦争はなくならず、さまざまな問題が飛び交っています。

 ところで、『DEATH NOTE(デスノート)』(原作:大場つぐみ 漫画:小畑健 集英社)という漫画を知っていますか? 社会現象を巻き起こしたこの作品は、ご存じの方も多いと思います。「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」−死神の落としたデスノート(=死のノート)を拾った主人公が、そのノートを使って神の裁きと称し、犯罪者たちを殺していき犯罪のない心の優しい人間だけの世界を作ろうとするストーリーです。この作品はまさに、生命に対する倫理のあり方が問われている現在の不安定な世の中を映し出していると思いました。そして、この主人公が持つ思想は、戦争に通ずるものがあると私は思います。自分たちの敵=犯罪者、彼らを殺さなければ平和は訪れないという考えも中にはあるのではないでしょうか。けれど私はどのような理由であれ、人の命を奪う行為を、人間の尊厳を持って排除すべきだと考えます。真の平和は武力で得られるものではありません。だからこそ憲法9条は永遠に守っていかなければならないし、こういった催しなど、戦争と平和を語り継ぐ活動を根気よく続けていくべきだと感じました。

 これからも私は絵画展の実行委員の一人として、次の世代に平和の尊さを語り継ぐ架け橋になりたいと思います。微力な存在ですが、命ある限り、自分の出来る精一杯のことをしていくつもりです。