"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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トーク&ライブ 原水禁「第6回ヒロシマに学ぶ埼玉子ども代表団」

 今年で6回目を迎える「ヒロシマに学ぶ埼玉子ども代表団(原水爆禁止埼玉県民会議主催)」は8月6日に広島を訪問しました。そして、昨日(7日)寝台列車で帰ってきたばかりの20名の代表団のうち、坂戸・鶴ケ島地区8名(中学生6名、大人2名)がスピーチと広島の交流会で歌った平和の歌を披露しました。

 「原稿なし」でいきましょうという主催者の「きつい」リクエストにしっかりと応え、一人一人が自分のナマの声で広島の印象を語ってくれました。命の大切さ、原爆の被害の恐ろしさ、被爆者の痛みへの共感など、学校の学習だけでは届きえない深さで平和について学んできたことが出席者に伝わりました。 特に、3年前に代表団に参加した中3の少女が、「私は、広島を訪問する前後に原爆について学び、知識が増えるほどその本当の怖さが逆に薄れてしまう、そのことに怖さを感じた。実際に広島を訪れたり、被爆者の方の絵画に出会う意義は、そのこと(原点?)を思い出すというところにあると思う。」また、「今まで政治は遠い世界のことだと思っていたが、そろそろ『ガイドライン』や『日の丸・君が代の法制化』『盗聴法』の問題など、平和を脅かす動きについて考え、行動していきたいと思う。」と発言し、大きな拍手を受けました。

 6年連続してこの企画を担ったスタッフの一人、埼玉教組の武井さんからは、次のような報告がありました。

 「広島の『語り部』の一人、沼田鈴子さん。原爆で片足を失い、婚約者の戦死、自殺を考えた彼女を思いとどまらせたのは、被爆し黒焦げになったアオギリの木に芽吹いた若葉であった…。今年も、車椅子の沼田さんは、体の不調をおして、そのアオギリの下で若者に被爆体験を語っていらっしゃいました。 そのアオギリの種を地元広島の小学校の教員が育てています。フィールドワークの案内をしてくれた平野さんから苗を一つもらうことができ、同行した坂戸市上谷小学校教員の清水さんが学校に植えてくれることになりました。アオギリと一緒に平和を守り育てる子どもたちが育ってくれることを願わずにはいられません。」

 「原爆を許すまじ」「青い空は」「明日への伝言」「いのち」などの演奏は会場を巻き込んでの合唱になりました。平和運動の裾野を若い世代に広げていくことの大切さを、会場全体で確認し合うような歌声であったと感じました。

 (文責 実行委員)