"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
原爆ドームイラスト ホーム  > ヒロシマの旅に参加して(2009原爆絵画展代表団広島訪問感想)

ヒロシマの旅に参加して(2009原爆絵画展代表団広島訪問感想)

原爆絵画展坂戸・鶴ヶ島地区実行委員 S.H.

 私にとって今回の旅は二度目の広島訪問となりました。

 『ヒロシマに学ぶ埼玉子ども代表団』の引率で初めて広島に訪れ、原爆資料館での勉強やフィールドワーク等により、その時は様々なことを理解したつもりでいましたが、今回の旅で知らなかったこと・新たに学習したことが多く、自分の浅はかさを痛感しました。
 「過去のことだから」「今の自分たちには関係のないことだから」、そういった考えが無自覚な悪意になってしまうのだと思うと、学んで知るということは本当に大事であると思います。
実行委員の一人として、平和を願う者の一人として、これから学ばなければならないことがまだまだ沢山あると感じました。

 戦争は、誰でも加害者や被害者になる可能性を持っていると思います。
 「戦争によって原爆は落とされた」と語られていた李先生のお話には、とても考えさせられました。戦争が原爆を……しかしその戦争は、人が起こしたものです。戦争が人を変えた、狂わせたとも言えますが、狂気に当てられたのだとしても、戦争を起こしたのが人であることに変わりはありません。核兵器をつくったのも人間です。そして、世界から戦争や核を無くそうとしているのも人間です。もし、健康な赤ちゃんがいたとして、必要な環境が整っていれば、その赤ちゃんを、兵器をつくり戦争をする人間と、戦争を無くそうとする人間、どちらにも育て上げることができるでしょう。
 「沢山人を殺し、戦争に勝利することが正義だ」と洗脳すれば、子どもはその正義を信じて銃を持ちます。しかし「戦争・差別はいけないこと、人は助け合っていかなければならない」ということを学ばせれば、子どもは他者を大切にするようになり、その一つひとつの気持ちが平和な世界の実現に繋がるのではないかと思います。

 私は自分の地区の原爆絵画展で通算三回、スタッフとしてお手伝いさせて頂きましたが、絵画展のお手伝いをするだけで、平和運動に貢献したことになるのだろうか、と疑問に抱いていたことがありました。
 ニュースでは遠い国での出来事といえども、紛争や核などの問題が報道されているのに、自分はこんなちっぽけなことしかできていない、と無力感を感じていたのです。しかし金子先生のお話を聞いて、自分のやっていることも無駄ではないと思えました。こういった活動を通して、戦争・原爆の悲惨さを多くの人々に伝えていくことが、私にできる平和への一歩だと思います。
 過去は変えられませんが、過去を学ぶことで未来は変えられます。これからも原爆絵画展の実行委員として、戦争の悲惨さ、命の尊さを後世に伝え残していきたいと思いました。