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原爆絵画展坂戸・鶴ヶ島地区実行委員 平岡紗来
私は今回、ヒロシマに学ぶ埼玉子ども代表団の引率者として、子どもたちと共に広島の地へ向かいました。原爆資料館や平和祈念館、原爆ドームの見学をはじめ、被爆体験をされた方のお話を聞いたり、全国から集まった子どもたちと平和について考えたり、平和記念式典へ参加したりなど、とても充実した3日間になったと思います。
今までヒロシマに行ったことのなかった私や子どもたちは、戦争や原爆に関するものを現地で見たり聞いたりして、63年前に刻まれた悲惨な傷跡にとても大きな衝撃を受けました。特に印象に残っているのが、原爆ドームです。テレビや本などで見たことはあるものの、実際に目にすれば否応にも伝わるリアル。たとえ戦争を体験したことがないとしても、確実に原爆の恐ろしさが心を揺るがします。核時代の幕開けには、あまりにも多すぎる尊い命が犠牲になりました。
「知らない」ということは、怖いことだと思います。知らないものは恐怖の対象と化し、自分にとって害とみなして排除、または無視しようとする。排除という行為は人を傷つけることに繋がり、無視は過去・現在を含む現実から目を背け、過去の過ちと同じ道を歩んでしまっていることに気付かないかもしれない。そこに思いやりの欠けた心と武力、人間の「欲」が加われば、戦争が起こる要素の一つとなるのではないでしょうか。
今、衣食住不自由なく生活している私たちの中には、「明日が来る」と思っている人がほとんどでしょう。輝かしい未来が待っているということは素晴らしいことですが、平和に暮らせるようになるまで、どれだけの犠牲や苦労があったのか、過去に目を向けることも重要な意味を持っていると思います。今の時代だからこそ、私たちはあの惨劇を風化させることなく出来る限りのものを戦争体験者の方々から受け継ぎ、それを未来の平和へと繋げるための架け橋にならなければいけません。
実際に自分の目や耳で学んだ事柄を、全ての人が平和と感じられる世界にするための行動に活かせるよう、自分に出来る最大限の努力をしていきたいと思いました。
微力ながらお手伝いをさせて頂いた今年度の原爆絵画展も成功に終わり、スタッフの皆様と来場して下さった方々には厚くお礼を申し上げます。今年は2日間とも特別企画があり、実行委員側としても非常に勉強になりました。是非来年も、今年以上に成果を出せるように努力していきたいと思いますので、今後もどうぞ宜しくお願い致します。